■工事概略

施設:愛知県 民間スポーツクラブ
場所:男女各浴槽
★ご注意★
きれいな写真ではありません。お食事中の方はご覧にならないことをお勧めします。


★施設様の状況

毎月の水質検査においてレジオネラ菌が検出された。
オープン以来、配管洗浄を行っておりませんでしたので(7年間) 弊社としては男女各浴槽の配管洗浄をお勧めして、配管洗浄を行ないました。


■レジオネラ属菌とは。
土壌や淡水中に広く存在する細菌。土埃などとともに空気中を運ばれ、混入すると考えられています。
気温25度以上、湿度が高い時期が最も検出されやすい。

■レジオネラ症
レジオネラ属菌が原因で起きる感染症。
・レジオネラ肺炎 ⇒ 肺炎症状を呈し、死亡例も報告されている。
・ポンティアック熱 インフルエンザに似た症状。死亡例は報告されていない。

配管内に汚れが溜まると、そこが菌の温床になります。
消毒のための塩素が配管内の汚れによって消費され、生物膜(バイオフィルム)内にレジオネラ菌が増殖します。
生物膜の中で増殖したレジオネラ菌が直接浴槽に混入してしまいます。


■使用薬品
配管洗浄剤 : ハイクリーンQS(酸性)
水量のおよそ3%の量の薬品を使います。
例 : 浴槽水量4t ⇒ 使用薬品量120kg
薬品によって配管内の生物膜を浮かせてはがします。
ハイクリーンQSの特性として、菌との反応を終えると中性になります。 2時間半程度要しますので中和剤を投入する必要はありません。必ず換気を行った状態で使用してください。締め切った環境での使用は避けてください。

※施工時は循環できるぎりぎりの量まで水量を下げて行います。


◆薬品投入、循環洗浄開始より10分後

白濁し、細かい黒い汚れが出てきます。

 

◆薬品投入、循環洗浄開始より30分後  

【左】
黒い汚れがだんだんと出てきました。



◆薬品投入、循環洗浄開始より1時間後  

【左】
だんだんと配管内のバイオフィルムがはがれ、泡が立つようになってきました。この泡は有機物です。
(バイオフィルム)


◆薬品投入、循環洗浄開始より2時間後  
【左】
配管内の汚れが浴槽内へ出てきました。
水の色も茶色になり、剥がれた生物膜等で形成された泡が広がります。

◆2時間半後、一旦排水。  

【左】
浴槽内タイルに配管内の汚れが付着しています。

排水後、汚れが付着したタイルを洗浄します。洗剤を使用して全面清掃しました。

清掃後、もう一度循環清掃できる水位まで給水し、逆洗、すすぎ洗いを行います。
逆洗を始めると先ほどの洗浄で排出し切れなかった汚れが出てくる場合がありますので、 汚れが出てこなくなるまで給水、逆洗を繰り返します。

◆施工後  
施工後、水を検査機関にて検査いたします。
レジオネラ菌の検出は2週間程度要します。こちらの施設では配管洗浄後、検出されませんでした。


◆マッサージプール配管洗浄  
◆薬品投入、循環洗浄開始より1時間後  
【左】
薬品投入、循環洗浄開始より1時間後
◆施工後  
【左】
浴室と同様、配管内の汚れが排出されました。
排水、タイル洗浄、給水、逆洗を行いました。

 

★今回の施工に当たってのお客様の声・・・・

オープン以来配管洗浄をして来なかったとは言え、こんなにも汚れているとは思わなかった。。
今後は定期的に配管洗浄を実行していきたいと思っています。三立さんのおかげできれいになりました。ありがとうございました。

【施工を担当した大畑より】
目に見えない箇所だからでしょうか、施設様の配管洗浄への意識が低いように感じました。今回施設休館日に施工したのですが、前日までお客様が利用されていたと考えると、レジオネラ症にかかった方がいなくて本当に良かったと感じました。

ホテルや宿泊施設、スーパー銭湯等では毎年配管洗浄を行っているところが多いようです。施設利用者様に症状が出てしまってからでは遅いので、定期的に配管洗浄を行うことを是非お勧めします。